【2024年度】EV充電設備への補助金

電気で走る電気自動車(EV・PHV)にはガソリンを給油する必要がありません。

その代わり、自宅や、外の充電器(充電スタンド)で充電する必要があります。

EVの利便性は、EV充電器の量と質で決まる」と言っても過言ではありません

そこで国は、EV充電器設置を補助することで、EV充電器の普及を後押ししています。

この記事では、どんな補助金があるのかについてまとめます (公式資料はこちら)。

普通充電 と 急速充電の違いとは? 

EV充電器は大きく分けて2種類があります。

同じ車を50%充電するのに、半日かかる普通充電器と、約30分で済む急速充電器です。

なら全て急速充電器で良いじゃないかと思うでしょうが、

莫大な設置費用がかかる(数百万円~数千万)という弱点があります。

どうしても充電速度が欲しい場所(高速等)では急速充電器は大活躍ですが、

全てのEV充電器を急速充電器にするのは現実的ではありません。

対して、普通充電器の中には、機器が数千円、設置も数万円から可能なものもあり(コンセントタイプ)、

自宅に設置してEVを充電するのに向いています。

経済産業省資料から一部改変

つまり、「遅いが安い普通充電器」と「高いが速い急速充電器」を上手に使い分けることが重要なのです。

基礎充電 と 経路充電 と 目的地充電とは? 

そして、充電器の使い分けをするためには、どんなシチュエーションで充電するかを考える必要があります。

その分類が、基礎充電 / 経路充電 / 目的地充電 です。

経済産業省資料より引用

基礎充電とは、自宅や職場の駐車場など、日常で車を長く置ける場所での充電です。

自宅で充電するなら時間がかかっても良いので、コスパの良い普通充電器が活躍します。

経路充電とは、高速PAや道の駅などで、遠出をする途中での充電です。

航続距離が足りない時に休憩がてら充電するという使い方です。

多少割高でもスピードが大事なので、急速充電器が活躍します。

目的地充電、商業施設、宿泊施設などの目的地での充電です。

特に観光地の宿泊施設にEV充電器があれば、帰りの充電を気にしなくてよくなるメリットがあります。

なお、滞在時間が長い場合普通充電器でも十分便利ですが、

滞在時間が短い商業施設では急速充電器が必要かもしれません。

国の補助金の対象になる充電器とは?

普通充電器と急速充電器で制度が分かれています。

急速充電器(経路充電)の場合

必要性の高い場所の経路充電を優先的に支援するのが国の方針です。

高速PA・SA→公道→道の駅の順に補助金を決めていき、予算がなくなれば終了します。

高速SAのEV充電器

このように優先順位をつけて補助金の対象が絞られる代わり、補助の対象になると、

充電器の費用と設置の工事費用が原則」全額補助されます

もちろん、消費税分は除外されたり、補助額に上限があったりという形で、無料で急速充電器が建てられるわけではないですが、

補助金なしでは数百万円以上かかるので重要な制度です。

なお、この制度の対象にならない急速充電器でも、

年度によっては充電器の費用が半額、設置費用が全額補助されたり、自治体の支援の対象になる場合があります。

目的地充電の場合

商業施設・宿泊施設などの目的地に、普通充電器急速充電器を設置する場合に補助があります。

普通充電器は急速充電器に比べてもともと安いため、

充電器の費用は半額、設置費用は全額の補助が原則です(上限あり)

急速充電器も補助の対象になりますが、

高速道路や充電空白地帯の急速充電器などに比べて社会的な優先度は低いため、より予算が降りにくくなります。

公式資料

普通充電器(基礎充電)

既存の集合住宅や、月極駐車場職場の駐車場に限り、補助の対象になります。

マンションやアパートなどの場合、一軒家に比べてEV充電器の設置にハードルがあるとされています。

そのため、集合住宅での導入は補助されます。

なお、月極駐車場や、職場の駐車場も同じ枠で申請できます。

充電器の費用は半額、設置費用は全額の補助が原則です(上限あり)

【注意】国の補助金の対象に「ならない」充電器とは?

たくさんの例外はあるので、主な場合を上げます。

一軒家の充電器

一軒家に自宅用のEV充電器を設置する場合、国からの補助金はもらえません。

もともと、設置にそこまでお金がかからないからです。

ただし、一部自治体では補助金を設けています。

優先される場所以外での充電器

国の補助金は限られるため、特に重要な場所以外での充電器は、対象外になりがちです。

例えば、急速充電器では、高速PA・SAや道の駅など、外出先の充電に欠かせない場所が優先されるようです。

ただし、自治体では独自に補助を出している場合には、そちらで補助を得ることも可能かもしれません。

「多すぎる」充電器

ただし、電気自動車の普及率がまだ低い中、

全ての駐車スペースにEV充電器をつけるても、多くの充電器は使われなくなってしまうでしょう。

そのため、一つの申請でカバーできる充電器の数には上限があります。

例えば、2023年度の補助金では、マンション等への普通充電器(ケーブル式)の設置では、

駐車場収容台数の10%以下かつ10口以下までしか補助金でカバーできず、

限られた充電器を共用で利用することが多いそうです。

「無料」の充電器

これは令和6年度から追加された事項です。

充電料金が無料の充電器は、EVユーザーには嬉しいですが、

充電器を運営する企業からしてみれば商売あがったり。公正取引委員会 (jftc.go.jp)からの指摘もあります。

健全な充電ビジネスを作るため、令和6年度から補助金の対象となる充電器では、充電料金を有料化することを条件にしています。

自治体独自の補助金も要チェック!

ここまで国の補助金を紹介してきましたが、

東京都など、自治体の補助金が国の補助金よりも手厚く手広いケースがあります。

自治体の補助金をチェックしましょう。

自治体のEV政策

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また、充電インフラ補助金の情報をさらに知りたい場合は、

一般社団法人次世代自動車振興センター (cev-pc.or.jp)の公式サイトをチェックするのがおすすめです。

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