【最新版】岡山県のEV補助金・支援制度まとめ
実はEV政策が手厚い岡山県。
3大都市圏以外では、電気自動車政策が最も先進的といっても過言ではないでしょう。
この記事ではそんな岡山県・県内の市町村のEV政策について解説します(2024年、令和6年度の情報です)
国の補助金に上乗せ!市町村独自のEV補助金
EVを購入する際、国の補助金がもらえるのはご存じでしょう。
岡山県の大半の市町村では、国の補助金に上乗せする形で、個人も補助金を受け取ることができます。
個人用EV補助金がある自治体(令和6年度の情報)は以下のオレンジの市町村です
- 一覧
- 岡山市(8万~13万円)
- 倉敷市(EVが15万円、PHVが10万円)
- 津山市(10万円:軽のEVのみ補助)
- 高梁市(10万円:EVもPHVも)
- 総社市(15万円:100件のみで先着順だが、三菱車の枠が多い)
- 瀬戸内市(基本的に国の補助金と同額:太陽光パネル等が設置されていることが条件)
- 美咲町(10万円、国の補助金の半額が上限)
- 矢掛町(15万円:軽のEVのみ補助)
- 早島町(10万円:EVもPHVも)
- 鏡野町(10万円:軽のEVのみ、補助対象経費の1/20が上限)
- 井原市(10万円:EVもPHVも)
- 和気町(30万円:EVもPHVも、価格の1/10が上限)
- 勝央町(20万円:EVもPHVも)
- 奈義町(20万円:EVもPHVも、価格の1/20が上限)
- 西粟倉町(20万円:EVもPHVも)
- 真庭市(30万円:EVもPHVも)
岡山県の一部自治体では、EV(軽自動車)のみの補助があるのが特徴的です。
ekクロスEVなど軽自動車のEVに強い三菱自動車との縁が感じられますね。
ただし、これらの市町村のEV補助金は予算が限られています。
年度の後半には予算切れになっていることもあるほか、
逆に令和6年度の政策の詳細を未発表の自治体があるかもしれないので、最新情報のチェックが必要です。
EV充電を便利に!充電インフラビジョン
EVはEV用の充電器が多いほど便利に使うことができます。
岡山県は、岡山県充電環境整備ビジョンを掲げて、EVが充電しやすい地域を目指しています。
基礎充電 と 経路充電 と 目的地充電とは?
県のビジョン・政策を説明する前に、電気自動車の充電の基礎を確認しましょう。
EV用の充電器は、設置する場所によって使い方は大きく異なります。
その分類が、基礎充電 / 経路充電 / 目的地充電 です。
基礎充電とは、自宅や職場の駐車場など、日常で車を長く置ける場所での充電です。
自宅で充電するなら時間がかかっても良いので、(安いが遅い)普通充電器が活躍します。
経路充電とは、高速PAや道の駅などで、遠出をする途中での充電です。
航続距離が足りない時に休憩がてら充電するという使い方です。
多少割高でもスピードが大事なので、急速充電器が活躍します。
目的地充電は、商業施設、宿泊施設などの目的地での充電です。
特に観光地の宿泊施設にEV充電器があれば、帰りの充電を気にしなくてよくなるメリットがあります。
重点的に整備を進める場所
長野県は上のような考えに則って、
多くの住宅に普通充電設備が設置され(一軒家だけでなくマンション・アパートも)、
勤務先でも充電ができ(昼は従業員の車を、夜は社用車を充電)、
商業施設や道の駅でも充電できる将来像(2030年)を目指しています。
それを実演するため、以下のような取り組みを進めるとしています。
- 基礎充電環境の整備
- 普通充電設備の導入に係る補助事業の継続(≒補助金)
- 事業所(勤務先)への普通充電設備導入の働きかけ
- 既築分譲マンションへの充電設備の導入に係る補助の拡充
- マンション管理組合等を対象とした充電設備導入セミナー開催や充電サービス提供事業者とのマッチング機会の提供
- 基礎充電を補完する公共用の充電環境の整備
- 普通充電設備、急速充電設備の導入に係る補助事業の継続
- 充電設備の高出力化や複数口の設置を誘導
- ⺠間事業者と連携した県有施設への充電設備の導入
岡山県の充電器設置補助金
これらの具体策の中でも最も印象的なのは、岡山県独自の充電器設置補助金でしょう。
岡山県は国の補助金に加えて、県独自の補助金でEV充電器設置を促しています。
普通充電器の場合
普通充電器の設置には、一台つき最大18万円の補助があります。
ただし、補助対象費用(設置費用+工事費用)から国の補助金を引いた額の半分が上限となります。
つまり、国の補助金と併用する場合でも、自己負担をゼロにはできませんが、大きく減らすことはできます。
なお、自動車ディーラーでの設置は対象外ですが、
逆に既存のマンションへの充電器設置には、補助率がさらに手厚くなります(3/4を補助)。
急速充電器の場合
急速充電器の場合には、150万円が上限です(一基で2口充電できるなら175万円)
これも、補助対象費用(設置費用+工事費用)から国の補助金を引いた額の半分が上限で、
自動車ディーラーは対象外で、一施設一台という制限があります。
それでも、この補助額は大都市圏以外の自治体としては破格に手厚い額で、自己負担を大きく減らせるでしょう。
市町村独自の補助金
さらに岡山県内の一部の市町村では、充電器設置補助金をさらに補助しています。
なお、一部の自治体はまだ令和6年度の政策の詳細を発表していないことがあるのでご注意ください。
情報サイトが充実!
電気自動車が暮らしをもっと、ワクワクさせる! OKAYAMA EVs LIFE (ev-okayama.jp) という岡山県の作ったEV情報サイトがあります。
本当にこの記事が必要なのか疑ってしまうくらい、とても良いサイトなので、EV購入を検討する方はぜひのぞいてください
「EV 岡山」と検索すれば出てくるはずです。
EV自体の情報や、購入者の声、充電に関する情報から、補助金情報、充電マナー川柳(!)まで、幅広い情報が得られます。
おまけ:EVシフトと産業
ここまで読んだ方にはうすうすわかるでしょうが、
岡山県は産業振興策としてEVを重視しています。
事業構想オンライン での知事のインタビューなどがその例で、
県内にはEVを生産している三菱自動車工業水島製作所や、多くの自動車部品サプライヤーが集積していることから、EVシフトによって大きな影響を受けます。
こうしたことを背景に、岡山県ではEVシフトをチャンスととらえて、EVで必要とされるモーターやバッテリーといった新たな部品を製造することや、充電環境の整備への挑戦を行っていきたいと考えています。
EVという新分野で「先行者利益」が約束されているわけではありません。しかし、このようなピンチをチャンスに変えるには、一日も早く変化に対応しておくことが産業構造の変化に対するリスクヘッジになると考えています。
事業構想オンライン での知事のインタビュー
実際にそれに対応するような企業の動きもあるようです。
- 岡山の水島で軽EV披露、日産・三菱自 地元活性化期待 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
- 岡山県 伊原木知事が『Power Base』を視察 - Newsroom - 株式会社パワーエックス (power-x.jp)
今後の動きが注目ですね。
まとめ
岡山県は産業振興などのため、EVを推進しています。
特に力点があるのが充電インフラ等の整備。
ビジョンを示し、補助金をかけて、条例を改正するなどして充電器の設置を促しています。
また、今後普及が進むかが楽しみですね。
最後に、国のEV政策について知りたい方はこちらを参照ください。